生肉のタルタル、カルパッチョ、ユッケなどは本当に安全なのか。新鮮だから食中毒が起きない訳じゃない、理解しておきたい衛生について。美味しいものは食べたいけど、美味しいの前にまず安全がつかないといけません。
そのために、料理に携わる人が知らなければ危ないことのをまとめました。
Contents
◾生食用の肉は本当に安全なのか
まず、大前提として生食用で流通している肉は安全です。
勿論腐敗や劣化しているものはそこには含まれません。
通常の鶏肉や、豚肉、牛肉には食中毒の原因なる細菌(特にカンピロバクター、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌など)が付着している可能性があります。
この菌は肉自体にもともとついているわけではなく、動物の腸管内に生息しているものなのですが、食肉に処理する際に肉の表面に付着するという二次汚染が発生することが原因です。
その汚染した肉を生で食べると、食中毒を起こす可能性があります。
なので、表面を焼くステーキなどはレアでも食べれることになります。ハンバーグは表面だった部分が中に入っている可能性があるので、生ではダメです。

・2011年のユッケによる集団食中毒は何故起きたの?
本来生で食べるユッケの場合菌がついている可能性のある、表面を削ぎ落とす必要があります。しかしそれを怠ったため死者まで出る大事件になってしまいました。
・馬肉が生食されるのは?
馬肉は他の家畜と比べ、体温が高く40度程ある為雑菌が繁殖しずらく、もともと雑菌が少ないことが生で食べられる理由です。
それに、生食用の馬肉にも基準があり、検査によって大腸菌群やサルモネラ菌群が発見されないことが条件です。厳しい基準をクリアしたのち、清潔な器具などで肉の表面を削る作業が行われます。その際肉の温度が10度以上にならないようにされ、器具の消毒も使う度に熱湯消毒が義務付けられていたりなど徹底されます。他の肉に比べてアレルギー性が低いのも理由の一つです。
ただし、人には寄生しませんが、害のある寄生虫がいるという可能性があるため、冷凍処理して死滅させます。
・豚、鶏について
豚が保有している可能性があるウイルスや、寄生虫は人に感染する恐れがあるため、豚肉の生食は販売が禁止されています。
鶏もカンピロバクターの保菌率が高いので豚肉同様で、生食はやめましょう。
75度で1分の加熱でほとんどの菌は死滅します。

◾どう調理したら良いのか
①賞味期限、肉の状態の悪い(変色、汁が出ている古そうなもの)ものは避け新鮮なものを買いできれば保冷剤などで、冷やして持ち運ぶ。
②肉の汁で他の食材に二次汚染しないようにする。冷蔵庫は10度、冷凍庫はー15度以下で保存する。
③手を良く洗って取り扱い、器具は生肉と他の生食の物と一緒に使わず分け、清潔なものを使ったり、熱湯消毒などをする。
④肉は十分に加熱する。75度で1分が目安。肉の生食は生食専用の物を使うか、表面を焼いて削るかし、他の菌がつかないよう気をつける。
⑤清潔な食器を使い、速やかに食べる。放置するとわずかについていた菌が増殖し、食中毒の原因になることがある。
◾生肉が食べたい人の為のレシピ
美味しい生肉は正しい知識をもって、安全に食べましょう。