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◾1975年にエリゼ宮にてV.G.E.に捧げたトリュフのスープ
1975年にフランスの料理人として初めて「レジオン・ド・ヌール勲章」を受賞した際の晩餐会にて、当時の仏大統領V.G.E(ヴァレリー・ジスカール・デスタン)氏にポール・ボキューズ氏が振る舞ったスープ。このスープを飲むために世界中から多くの方がリヨンのレストランを訪れるという、ポール・ボキューズ氏のスペシャリテです。
香ばしいパイに包まれたこのスープにはフォアグラ、牛ホホ肉、トリュフなど贅沢な食材がつまっています。パイによって保温されるため、晩餐会では400名以上に熱々のスープが提供され、絶賛されたといわれています。

◾黒トリュフのスープの価値
・高級食材を使っている
黒トリュフ、フォアグラ、和牛ホホ肉などを使っているのでもちろん原価がかかっているのがわかります。
その他の材料は、人参、根セロリ、ノイリープラット、パイ生地、丸鶏など。
シンプルが故にいじりようがない料理でもあります。

・作るのに時間がかかる
- 1日目:丸鶏をばらして流水する。
- 2日目:鶏のコンソメをとる。
- 3日目:鶏のコンソメを煮詰める。フォアグラをマリネする。
- 4日目:鶏のコンソメで牛ホホ肉のポトフを作る。フォアグラのテリーヌに火を入れる。
- 5日目:ポトフの液体で人参と根セロリのポトフを作る。
- 6日目:牛ホホ肉がつかっている液体、野菜のつかっている液体、トリュフジュース、ノイリープラットでコンソメの味を整える。一晩置いて味が染みた野菜と牛ホホ肉を小さく切る。
- 7日目:カップにスープ、トリュフ、フォアグラのテリーヌ、牛ホホ肉、野菜を入れ、のばしたパイ生地を被せる。しっかり冷やしてしめてから卵黄を数回ぬり、オーダーが入ったらオーブンで焼きます。
一つ一つに味を染み込ませて美味しくするため、とても時間と労力がかかります。そのかわりただの人参ですらめちゃくちゃ美味しくなっています。
パイ生地の被せかたもコツが必要で、中の空気の膨張と水分の気化によってパイがドーム上に膨らむので、うまく張れていないと全然パイが上がりません。
お客さんの食べるペースを逆算してオーブンで焼くので、タイミングがとても重要になります。
・再現できる人が少ない
レストラン、ポール・ボキューズで学んだ料理人は少なくはないでしょうが、このトリュフのスープを食べることが出来るレストランは限られているし、忠実に再現できる人も多くないからではないかと思います。

フランス料理の中でも有名で、いろんなものがつまっているこの料理を一度は食べてみてほしいです。トリュフやフォアグラを食べなれていない人でも感動すると思います。
このような歴史と、作る過程があって9000円という価値が生まれます。
ちなみにハーフポーションもありますから安心してください。
◾メゾン ポール・ボキューズ
日本
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町17−16 代官山フォーラムAB棟 B1F
+81 3-5458-6324
https://goo.gl/maps/tYEqCZDvgVCYrJ8R8
◾Paul Bocuse
リヨン
40 Rue de la Plage, 69660 Collonges-au-Mont-d’Or
04 72 42 90 90
https://goo.gl/maps/hC6uUPMjMxHq5SqL6
Michelin Red Guide 2020 France: Hotels & Restaurants (フランス語)
Michelin Bib Gourmand France 2020(フランス語)