Contents
◾ポール・ボキューズ Paul Bocuse
ポール・ボキューズさんは、1959年に実家のレストラン「ポール・ボキューズ」を継いで、1961年にミシュランガイドの一ツ星を獲得。1965年に三ツ星を獲得し、2020年まで続きました。現在二ツ星。
1970年代から、ポール・ボキューズさんは「辻調理師専門学校」の創設者、辻静雄氏に日本へ招かれました。彼はこのとき懐石料理や京料理などの、季節ごとの素材を活かす調理法や、料理に合わせた美しい盛り付けを学びました。
これをきっかけにポール・ボキューズさんはフランスで「ヌーヴェル・キュイジーヌ」の旗手となりました。20世紀でもっとも有名な料理人と言われるフランス料理界の重鎮でした。
*ヌーヴェルキュイジーヌとは、伝統的フランス料理の過度な様式化を廃し、新鮮な素材をいかしたシンプルな料理を志向する料理運動のこと。

◾ヒメジのポワレ ジャガイモのウロコ仕立て
魚料理のスペシャリテで有名な「ヒメジのポワレ ジャガイモのウロコ仕立て」。フランスでは「ルージェ Rouget」という魚を使います。日本では「甘鯛」や「イトヨリ」で作ります。
ルージェ イトヨリ
フィレにした魚にスライスしたジャガイモを丸くくりぬいた物を一枚一枚ウロコのように貼っていきます。
東京のメゾン・ポール・ボキューズ で働いていた当時、1日で200人前ひとりで作っていたことも。

焼くときはジャガイモの面をカリカリになるまで焼き、返して身の方を焼きます。ジャガイモの面をあまりゆっくり焼くと魚に火が入りすぎてしまうし、火が強すぎるとジャガイモがカリカリになる前に色だけつきすぎてしまうため、難しい。
ジャガイモはカリカリ、魚はふっくらと。
ジャガイモの種類によって味も焼き加減も変わるため、季節によってのジャガイモ選びが重要。
シンプルな中に追求出来るポイントが多い料理。
ソースは魚のダシと白ワインをベースにオレンジとローズマリーの風味をつけたクリームのソースと、赤ワインのソースのアクセント。
◾昔の料理と今の料理
伝統的な昔の料理は、今の料理人にとっては逆に新しくて見たことのないものばかり。だからベースとして持っておくと引き出しが増えて、応用がきくと思います。
ただそれを教科書通りに作っても時代に合わないので、それを今の時代のお客さんの嗜好に合わせて、自分の要素を加えたような料理が自分のイメージです。
その上で、ポール・ボキューズのような伝統を引き継ぎ続けているレストランは必要で、とても偉大なレストランだと思います。
Paul Bocuse
リヨン
40 Rue de la Plage, 69660 Collonges-au-Mont-d’Or
04 72 42 90 90
https://goo.gl/maps/hC6uUPMjMxHq5SqL6
・Michelin Red Guide 2020 France: Hotels & Restaurants (フランス語)
・Michelin Bib Gourmand France 2020(フランス語)
